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【WMSJ × KCJ】WMSJ 2015への期待

KCJ

WMSJ 2015への期待
スケールアウト株式会社 代表取締役社長 荻野浩司

ケロッグ・クラブ・オブ・ジャパン(http://kelloggbiz.jp/club/

 

忙しい。誰しも日々の仕事に追われている。一方、時代は大きな流れに沿って動いていく。相対的に自分の視野は狭くなり、元々の価値観を見失い、思ったような結果が得られなくなる。今、日本全体がそういう状態ではなかろうか。仕事をやり易くするには、むしろどこかで十分な時間を取り、本質に立ち返り、新鮮なネタを仕入れ、頭を柔らかく健全に保った方がよい。ワールド・マーケティング・サミット・ジャパン (WMSJ) 2015 には、こんな我々の目線を高く引き上げてくれる場の役割を期待したい。

まず、最新のマーケティング動向や手法をいち早く手に入れたい。「デジタル時代においてグローバルマーケットで勝つためには」というサブタイトルからも分かるように、WMSJ2015 では、新しい時代の流れを見据えて設定されたテーマにしたがって、コトラー教授をはじめとする世界のキーパーソンの生の声による知見やディスカッションに触れることができる。例えば、イノベーション、アントレプレナシップ、デジタルマーケティングなどのトピックが選ばれ、IoT というテクノロジー領域に特化した単独のセッションも組まれている。こうした新領域のインパクトを、最先端を走るスピーカー陣がどう考え、どういう切り口で語るのか。傾聴に値するエキサイティングな瞬間だ。

しかし、自分自身の日々抱える個別の課題とはどう結びつくのだろうか。本当に聞きたいことが聞けるのだろうか。WMSJ2015 ではインタラクティブ・セッションが用意され、登壇者と質疑応答や議論を直接やりとりする機会があるので、来場者自身の課題について最も知りたい内容の知見が得られそうである。個々の登壇者には、来場者からの切実な悩みや熱いチャレンジにも真摯かつ妥協のない対話を頂き、互いに汗をかいてセッションの生産性や学びを最大化できるように是非うまくリードして頂きたい。参加者としても、自身にとって値打ちのある内容を積極的に取りに行く姿勢で、問題意識を持って臨みたい。

私個人としては、現在取り組んでいる「コンテンツを中心としたマーケティング」の活動をこのサミットを通じて前進させたい。コンテンツ・マーケティングは、役に立つ記事などを提供することで顧客とのつながりを得る新しいマーケティング手法として注目されているが、筆者は記事だけでなく音楽や動画などのエンタテイメントの活用を特に推し進めたいと考えている。こうしたマーケティングの成功は、音声・映像などのコンテンツをいかに企画・制作できるか、いかにコンテンツを配信して必要な人に確実に届けるか、など課題が多い。「デジタル時代」に適したうまいビジネスのやり方について、少しでも新しく有用な知見やヒントが欲しいところだ。

また、WMSJ2015を通じては、時代に影響されないマーケティングの普遍的な原理原則もあらためて確認したい。どんな仕事でも、経験を積むにしたがって知識も貯まり、「そんなことは言われなくても、分かっている」ことが増える。しかし、それらは現場の業務の中でついつい後回しになったり、忘れられたりするために、実践されないものも多々ある。WMSJ2015 では、世界のさまざまな業界・分野の経験豊富なスピーカーからの大量の事例や考察をインプットすることで、マーケティングを含めたどんな仕事にも必要不可欠な普遍的な考えが自然な形でリマインドされるであろう。日々の仕事にただ流されるのではなく、あるべき姿を再確認し、原点に立ち返ることができる。したがって、理論やアイデアだけにとどまらず、具体的な成果に結びつけられるような実践的な内容も期待したい。

最後に、本サミットの素晴らしい点は、マーケティングを通じた「よりよい社会の実現」を根底にコミットしていることである。今回のプログラムには、新興国、ダイバーシティ、社会的価値、今後の社会などに関するセッションが盛り込まれており、グローバルな貧富差解消や平和実現なども重要な目標として位置づけられている。自分自身がよりよい社会への推進リーダーであるということを、参加者の一人ひとりが自覚しながら日々の仕事を進められるような高い目線を持てれば、WMSJ2015 の最大のアウトプットと言えるのではないだろうか。

荻野 浩司
スケールアウト株式会社
代表取締役社長 荻野 浩司